MVで見るicon girl pistols10年史 No.7「新聞記者」

7.新聞記者 - Newspaper Man -

2014年にリリースした4曲入りE.P.「icon girl pistols E.P.」に収録の楽曲。元々はメイン曲としていた「モダンライフへようこそ」のMVを撮影するために気鋭の映像監督小野佑太朗に依頼し、話を進めていた。

しかし、彼の脚本のもと歪んだ世界感を撮りためていくうちに、タカシ扮する無表情なサラリーマンのキャラクターが立ってきたため、急遽そのサラリーマンを主役とするMVを作製。同E.P.に収録の本曲が、狂ったサラリーマンの舞台となったのである。

撮影は同時ケンが住んでいた三鷹台の家とその付近、それと新宿駅だったり地下鉄構内だったり。

無表情なサラリーマン役は一見簡単そうに見えるが、何があっても絶対に表情を変えないで立っていろというのは、公共の場で撮影するにあたって中々難しかったらしい。元来タカシは愉快なやつなのだ。じっとしているよりはふざけたがるタイプである。なので、電車だとか踏切だとか、タイミングが重要な一発勝負の場面で、笑いを堪えきれずにNGテイクとなることが度々あって大変だったとか。

ちなみに俺はこの撮影に一切立ち会っていないので、これ以上のエピソードは特に無いが、「あ、三鷹台のナムチャイだなここ」など今見返してみると気付くところがあった。

そして、このMVの何が薄気味悪さを倍増させているかというと、登場人物たちの中で1番生き生きして生命力を感じさせるのが犬のレオンだということである。何も知らないレオンと周囲の全ての退廃。このコントラストがこのMVを見て「こわっ」と思わせる要因であり、その意味で主演男優賞はレオンに決定なのであった。
ss


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新聞記者

雄鶏の顔をした古代の英雄
英雄である重圧に我を忘れて
あたり構わずミサイルを撃ちまくった

競技場に人を集めて牛を引かせ
電気を作っては売り
作っては売り

それなのにそいつらを
身勝手な群衆と呼び
春と夏と秋を奪った

僕はといえば
喘息の薬を飲みながら
それを記事にする古臭い新聞記者
横になれば発作が酷くなるから
眠ることなくタイプを打つ

朝刊までにこれを間に合わせないといけない
陽気な独裁者が誰の中にもいるってこと
ピーナツバターを瓶ごと全部使ってしまう
陽気な独裁者が君の中にもいるってこと

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